第3ラウンドは、14番ホールが魔のホールとなった。最初にこのホールのワナにはまったのが崎山武志だった。ティーショットを左OBに打ち込んでトリプルボギー。ここまで9番バーディで上昇の流れにのっていたのに、一気に後退していってしまった。
14番は425ヤードのパー4。緩やかに左ドッグレッグしていて、フェアウェイ右サイドから第2打を打っていくのがベストルートになっている。そのエリアを狙うには、ティーショットを左林すれすれに打ち出していかなければならない。最初から右に打ち出したのでは、大きく、長いバンカーが待ち構えている。
鈴木亨と同じ組でのラウンドだったフランキー・ミノザが、14番ホールを迎えたとき、スコアを通算6アンダーパーにまで伸ばしていた。手にしたのは3番ウッドだった。ドライバーでは、右ラフにまで突き抜けてしまうか、バンカーにつかまる危険性があると考えてのクラブ選択であった。第1打の落下地点は左に傾斜していて、少しでも引っ掛けるとボールは左に転がる。そこにはOB杭が並んでいる。ミノザのショットは、まさに打ってはいけない弾道になってしまった。左にキックして転がったボールは、OBラインを越えていった。フォアキャディーの合図で打ち直し。このショットもまた同じ弾道で連続OBとなり、ダブルパーの8がスコアカードに記入されることになった。
その次の組で14番ホールを迎えたのはピーター・ファウラーだった。前半を32でラウンドして、この時点で通算8アンダーパーの単独トップに躍り出ていた。12番のボギーで通算7アンダーパーとなったが、それでもトップの座を守っていた。そして14番ホール。第1打は、ミノザが打ち込んだのと同じOBゾーンへと消えていった。
「あのホールは、ティーマークが、左方向に向いていた。それはわかっていたし、注意していたけど、右に打ち過ぎるのを警戒したら、あんな結果になってしまった」
これでダブルボギー。続く15番もボギーにして、この2ホールで3打を失うことになった。ホールアウトしたファウラーは、気持ちを立て直そうと、意外に明るい表情で「まだ良いポジションにいるし、(最終ラウンドは)耐えながら良いゴルフができたらチャンスはあると思うよ」前向きなコメントを残した。
明日の最終ら運ん度、終盤の優勝争いの前に14番で予想外のドラマが待ち受けているかもしれない。
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