「紙一重のゴルフでした」と比嘉勉は、ホールアウトするなり一言。この日、68の2アンダーパー。5バーディ・3ボギーだった。
「まずはティーショット次第です。ラフに入ったらボギーを覚悟しなければいけませんし、グリーン上も重さも違うし、芽も微妙に違いますから、同じ距離のスライスラインでも、簡単には読みきれません」
1番からスタートして、比嘉は、4番でボギー。6、9番で、バーディ。1アンダーパーで折返し、11、12、14番とバーディ奪取したものの15、16番でボギーとした。
「15番のボギーは、仕方ないというか、許せるボギー。でも、16番のボギーは、ちょっと許せないボギーでした。なんとかしのげたのは、アプローチがうまくいったことですかね。ともかく、無理しないゴルフをどうやって続けられるか、ということが大事だと思います」
比嘉は、数年前から頚椎の故障をずっと抱えていた。一時は、クラブも振れなかった時期もある。それに耐えて、なんとかゴルフができるようになった。
「いまでも、治ってはいません。ですから、指を動かすにしても、伝達が0.5秒ぐらい遅れるんですよ。その遅れる時差に慣れていたというのが本音ですね」と語る。
このコースをラウンドして「よくアマチュアの方に、ボギーはプロでも出る。でも、ダブルボギーは防ぎましょうってアドバイスしているんですが、今日は、まさにそれを自分自身に言い聞かせてラウンドしていました」と言っていた。
グリーンが小さくて読みにくい。しかも、点と点で攻めていかなければチャンスは巡ってこない。100年続いている鳴尾の歴史で、この現在のコース(猪名川)になって90年。その歳月でほとんど変わっていないレイアウト。そこで比嘉は、ボギーは許せる。でも、ダブルボギーは防ぎましょうというプレーの原点の教えを改めて感じていた。
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