5バーディ・ノーボギー。5アンダーパー65でホールアウトし、第1ラウンドを首位で終えたのが寺西明だった。
「ボギーがないというのは奇跡的なことなので、長いパーパットやアプローチのラッキーもあったゴルフでした」と敢えて奇跡的と表現した。
10番ホールからのスタート。13番で、6メートルのフックラインを見事に沈めてバーディ。続く14番では、32ヤードからの3打目を1.5メートルに寄せてのバーディ。18番でも、残り168ヤードから2.5メートルに寄せてバーディの32で折り返し、後半の6番で、残り128ヤードから1.5メートルに寄せてバーディ。7番では、96ヤードからの3打目を1メートルに寄せてバ
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ーディ。後半も33で締めた。
「(スタートの)10番からそこそこピンについていて、13番も右奥下りのフックラインだったんですけど、寄ればいいかなと思ったのが入ってくれたので、14番にはいきやすかったです。(鳴尾のグリーンの難しさは)1m、2m のバーディパットでもそうなんですけど、同じ転がりするかといったら高麗グリーンは芽やバウンドによって全然違うので、たまたまいいようにいったのかなと思うので、タッチが違うだけで通過してしまったりするので、本当に紙一重ですね」と、やはり紙一重という言葉がでた。
実は、寺西は、アマチュア選手時代から鳴尾ゴルフ倶楽部での競技経験が豊富である。2012年の報知アマでも、この鳴尾で優勝(2連覇)しているし、それ以外でも関西のアマチュア競技で鳴尾を数多く経験している。
「自分はあまりこういうタイプのコースが好きとか嫌いというのがなくて、長いコースも 短いコースもグリーンが速くても硬くても好きなんで。でも、鳴尾はアマチュアの時によくまわっていて、刻むところや攻めるところなど、 他の選手よりよく知っているのかなとは思います」と言っている。
だから本選手権に向けての意気込みも強い。練習ラウンドにも幾度となく来ているし「それだけの情報や今までの経験値を活かして、頭の中でも何回も鳴尾を回っています」と語った。
寺西がプロ転向したのが49歳(2015年)のときだった。それも、プレ予選、1次予選、2次予選、そして最終予選の経路をくぐり抜けての合格だった。同期には、時松隆光、伊藤誠道、そして中井学もいた。不思議にも、その年は40歳代の受験者が13名いた。もちろん寺西は、シニアツアーでプロとして戦う道を選んだからだ。
「アマチュアからプロになって数々のタイトルを獲らせてもらっていますけど、私の目標で、鳴尾という地元兵庫県で開催についても私にとって意味があるので、タイトルを獲りたいですね。北海道の時(2018年も)3位で3日目の途中までトップを走っていたので、そういうのも今回に活かせるようなゴルフができればいいなと思います」
第1ラウンドを終えて5アンダーパーは単独首位。2位の川岸良兼と2打差。まだ試合はスタートしたばかりだが、大きなアドバンテージを携えて、寺西は残り54ホールを、どう闘い抜くのか見守っていたい。
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