鈴木一徳は2年連続2度目の日本シニアオープン出場になる。初出場だった昨年は、大会前日に首を痛めて、出場はしたもののカットに終わった。本大会は予選会を突破しての本選出場で、体調には不安のない状態でコース入りできていた。「まあ、レギュラーツアーでも実績がありませんし、景気の良い話はできないレベルのプロなので、当面は予選突破を目標にしていました」。
普段は、埼玉県本庄市の練習場でレッスンをしている。「飛ばす方ではありませんし、爆発的なスコアを出すタイプでもありません」という鈴木のプレースタイルはステディーさを身上としている。無理をせず、しっかりフェアウェイをとらえてセーフティーにグリーンを狙ってい
く。2日間でラフに打ち込んだのは2回だけ。今大会は、そうした自分のゴルフができていた。得意はアプローチショットというのもステディーな鈴木らしい。
第2ラウンドは、自分のゴルフスタイルがさらに徹底され、1番からスタートして連続して2.5メートルほどのバーディチャンスにつけた。両方ともパットは外れたが、3番でも同じような距離につけると、今度はきっちりと沈めた。「あれで気持ちも落ち着いた」という鈴木は、4番(パー3)でも2メートルに1オンさせて連続バーディ。6番(パー5)では、グリーン手前から3打目のアプローチをぴったりに寄せた。
そこからはパー行進が続いたが、15番(パー4)で8番アイアンでの第2打を1メートルに寄せるバーディを奪って通算5アンダーパーにまでスコアを伸ばして、予選通過どころか3位タイに浮上してのホールアウトになった。
「決勝ラウンドに進めたので、これからも自分らしくコツコツとスコアを伸ばしていきたいですね。2日間は自分のゴルフができたと思いますけど、これが最後まで続くのか……というと、なかなかそうもいかないでしょうから、どうなっていくのか、楽しみでもあり、不安でもありってところですね」飄々とした語り口も鈴木らしかった。
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