第2ラウンドで足踏みをして首位の座を明け渡した宮本勝昌が68をマークして、その座を奪い返した。「ショット、パットともに、昨日よりは良かった。といっても、相変わらず良かったり、悪かったりという、そんな程度なんですけどなんですけどね。まあ“良かったり”の方がちょっと多かったので、こういうスコアになったのでしょうけど……」。
曲がり幅を小さくするように調整したいと語っていたこの日のスタート前。確かにラウンド中に小さなシャドースウィングらしき動きを何度も繰り返す姿があった。そんな中で前半は4、6、8番と3バーディを奪って通算8アンダーパーとして首位に並んだ。さらに10番(パー4)では2メートルにつけ
て抜け出した。通算9アンダーパーで迎えた最終18番(パー5)では2オンを果たし、2位以下に水を開けるチャンスを作った。しかし、イーグルパット、バーディパットともに「ラインを読み違えた」という3パットのミスで1打差の首位で最終ラウンドを迎えることになった。
現時点でシニアツアーの賞金ランキング1位にいる宮本を先輩プロである藤田寛之は「最強シニア」と呼ぶ。「そう言ってもらえるのはうれしいし、ありがたいのですが、自分にはそんな確信はありません。自分のスウィング、スタイルでゴルフをするのに精いっぱいですから…最終ラウンド?それも変わらないです。藤田さんとの組合せですよね。対決を楽しむ余裕なんてありません。本当に自分のプレーに精一杯なんですから。過程を楽しむのではなく、自分のプレーに集中して、あとは結果を受け入れるということだと思います」。
いくら話を聞いていても、景気が良いセリフは出てこない。意気込み過ぎず、かといって不安にも陥らず、どこまでもマイペースを貫こうとしている宮本であった。
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