ホールアウトして、インタビューエリアにやってきた片山晋呉は、深く呼吸をした。「今日は、ペットボトル6本飲み干しました。そのほかにお茶とかも飲んだので……。暑かったです。まだボーっとしています」と口にした。片山に限らず、たしかに選手全員から暑いという言葉が出てきた1日だった。前半2バーディ。後半は、3バーディ・1ボギー。68で回って通算6アンダーパー。3打差の4位だった。バーディとボギーの内容を聞くと「ごめん、覚えていないんです。思い出せない。うーん」と言った。暑さの限界だけでない。片山は腰痛に苛まれて鎮痛剤を服用している。「まるでラムネ菓子のように飲んでいます」というほど腰痛の加減もよくない。
それでもシニアルーキーとして、初の日本シニアオープン出場。どうしてもタイトルを獲りたいという意欲は、満々だ。「(第3ラウンドを終えて)最高の位置ですね。予定通り。ほんと(上位に)加われたことが大事なんですよ」と気力を振り絞って、楽しんでいる。
かつて片山は燃え尽き症候群となった時期がある。2008年永久シードの条件の25勝を果たし、2009年マスターズでも4位となった。そして燃え尽き症候群と言われた。先輩の中嶋常幸から「お前は、まだ燃え尽きていないよ。灰の中にまだ火種がくすぶっているんだから」と言われて再燃を試みたという時期があった。その片山にとって、シニア入りは新たな目標になったのだろう。その先には、また世界のシニアトーナメントで戦えるという道がある。その一歩が、この日本シニアオープン選手権でもあるのだ。
「いいですよね。50(歳)になって、また真剣になって戦えて優勝争いができるって。中学、高校から一緒に戦ってきた仲間たちと、こうしていられるなんて、いいよね」とポツリと言った。
とはいえ、肉体は満身創痍だ。体のケアも入念だ。「ここで2時間。それに金沢でも1時間。しっかりとケアをしてもらっています」と言った。首位と3打差の4位。片山から最終ラウンドに再び「最高!」というコメントを聞きたい。
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