2023年度(第33回)日本シニアオープンゴルフ選手権は17日、石川県の能登カントリークラブ日本海・はまなすコースで最終ラウンドを行い、1打差2位スタートの藤田寛之が最終18番ホールでバーディを奪取して2アンダーパー70をマーク。通算10アンダーパーで見事な逆転で本選手権初優勝を果たした。1打差2位タイには4つスコアを伸ばした山添昌良とプラヤド・マークセンが入り、通算8アンダーパーの4位タイにこの日のベストスコア67のI・J・ジャンと増田伸洋となった。通算9アンダーパーの単独首位でティーオフした宮本勝昌はバーディスタートを決めたもののショートパットに苦しみ2番から連続ボギーを叩くなどこの日2バ
ーディ・4ボギーの74と2つスコアを落としホールアウト。初出場初優勝の期待がかかった片山晋呉とともに通算7アンダーパーの6位タイで本選手権を終えた。
なお、ローアマチュア争いは、通算3オーバーパーで最終ラウンドをスタートした髙橋雅也が4バーディ・6ボギーの74でプレーを終え、横山浩康を逆転。通算5オーバーパーで全体の36位タイとなり2年連続2度目のローアマチュアとなった。
夏の名残りの強い日差しの中でスタートした最終ラウンド。宮本勝昌と藤田寛之の最終組は、息をするのも苦しく感じさせるほどの張り詰めた空気の中でプレーを進めていった。スタートでバーディを決めてそのまま逃げ切りを図りたい宮本だったが、第3ラウンドから時折見られたショートパットの不調が2番で顕になり、3番でもスコアを落とす。藤田も初バーディが6番(パー5)と伸び悩む中、4打差からの逆転を狙う山添が猛追。山添と同じ第27組でプレーするマークセンも13番からの3連続バーディでリーダーズボードを駆け上がる。山添は再三のチャンスを決められない中、マークセンは最終ホールで起死回生のバーディを奪取。ともに通算9アンダーパーでクラブハウスリーダーとなり、最終組の藤田のプレーを待った。その藤田は15番のボギーで山添、マークセンと並ばれて迎えた最終ホール。ティーショットを左ラフに打ち込んだものの、96ヤードの3打目をウェッジでピンを刺す見事なショットを見せる。約1.5メートルの下り傾斜のバーディパットを慎重に沈めた藤田が、2人を振り切り悲願のナショナルオープンタイトルを手にした。優勝杯を掲げた藤田の笑顔が、能登カントリークラブ18番ホールに差し込む西日に照らされ、輝いた。
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