今大会でシニアルーキーの増田伸洋は、ふたつの目標を胸に秘めていた。ひとつは、15位以内に入って、千葉カントリークラブ・川間コースで開催される2024年大会の出場権をつかむこと。そして、もうひとつは「とにかくできるだけ上位に入って賞金ランキングでシード圏内に食い込むこと」であった。通算7アンダーパーの5位タイで迎えた18番ホールで決めたバーディには、その思いが強く込められていた。このバーディで4位タイとなり、シーズン獲得賞金は810万円を超えて、現状でのランキングは10位にまで浮上した。間違いなくシード圏内突入である。「早くそこまで行って楽な気持ちでプレーしたいんです」と大会前から口にしていた。
最終予選会の順位が23位で試合出場が限られていたことが、プレッシャーになっていたのであろう。そこから今大会の4位タイでほぼ100%解放された。
次の試合は日本プロシニアゴルフ選手権である。「それと、あと1試合ですかね。でも、日本プロシニアが楽しみになりました」。
実は2日目の朝、緊張していることを見抜かれていたようで、室田淳に声を掛けられた。「ルーキーだからって遠慮せずに思いっきりいってこい」と。肩の力が抜けたのを感じたという。結果ヨシ。そして、初出場での貴重な経験も積んだ。増田の本当の進撃はこれからだ。
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