通算5アンダーパーの5位グループから最終ラウンドのスタートを切った山添が序盤にスコアボードを駆け上った。2、3番さらに5、6番と連続バーディを奪い、6ホールを消化したところで通算9アンダーパーにまでスコアを伸ばし、この段階で一気に首位に立った。この後、最終組の藤田寛之が6番でバーディを決めて並ばれはしたが、ずっとトップグループをキープした。最終ラウンドのダッシュは、3日目を終えてから練習グリーンでパッティング調整をしているときに好感触をつかんでいたことが要因となっていた。
「言葉で表現するのは難しいけどインパクトのタッチがつかめたと思ったんです」。
その感覚が抜けなければ、最終ラウンド
はいいゴルフができるだろうという手応えであった。スタートして、前日の感覚が消えていないことが確認できた。それが6ホールでの4バーディであった。後半は伸び悩んだが、「それはパッティングではなく、ショットを決め切れなくなったからです」ということで、通算9アンダーパーのまま、この時点でトップタイでホールアウトし、同スコアでホールアウトしたマークセンとクラブハウスに入って最終組の結果を待っていた。その結果は、並んでいた藤田が最終ホールで会心のバーディパットを決めたことで、1打差の2位タイに終わった。昨年は5位タイ、そして今大会は2位タイ。「こうなったら、来年は、もうひとつ上を狙いたくなりますね。楽しみです。いや、ちょっと気が早いですかもしれませんが…」。
山添はやり切った感にあふれていた。
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