Japan Senior Open Golf Championship日本シニアオープンゴルフ選手権
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競技報告:JGA 写真:Y.Watanabe / T.MATSUMOTO
長年付き合ってきたという腰痛。ここ数年は鳴りを潜めていたが、間の悪いことにナショナルオープン2週間前に魔女の一撃が久保谷健一を襲った。歩く姿も痛々しい久保谷だが、出だし2ホールのボギーのピンチを凌ぎ、3番で5メートルのバーディパットが決めると「貯金ができたような」と心に余裕が出たのかティーショットがフェアウェイを捉え始め、ショットもグリーンをヒットするようになる。その後6、8番でバーディを奪うと、後半も2つスコアを伸ばして迎えた最終ホールをバーディで締め、この日6バーディを奪取。ボギーフリーで首位の崔虎星に1打差の2位と好スタートを切った。
「まともにクラブを振れないので、危ないところにいったり……色々ありました」と苦しむ久保谷を救ったのは、パッティングだった。「良いパーパットを決めることが出来たし、3パットになりそうな場面も2パットでしのげた」と、顔をほころばせた。厳しいパッティングを決めることで、「悪い流れになるとボギーが止まらなくなるのが、このコース。流れを切らさずにプレーできた」と落ち着いたプレーにつながったと今日のプレーを振り返った。
この2年ほどは腰痛の症状も和らいでいたというが、2週間前に痛みを感じたときは「正直、ここで来るかという感じだった」と話す。それでも「しょうがない。慣れているし、完治は無理だから諦めている。(腰痛も)おかえりなさいっていう感じ」と、長年の痛みと折り合いをつけながらのプレーも覚悟の上だ。
2002年日本プロゴルフ選手権、2012年日本オープンゴルフ選手権に続いて3つ目の日本タイトル獲得への期待も高まる好スタートだが、本人は「もう一回ビクッと来たら歩けなくなると思う。自分は完走しなければいけないし、それに向けて頑張ります」とまずは4日間72ホールをプレーし終えることを最優先にするつもりだ。苦難の先に、3つ目の日本タイトルとなる日本シニアオープン初優勝の栄誉が待っていることを信じて。