Japan Senior Open Golf Championship日本シニアオープンゴルフ選手権
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昨年大会で悲願のナショナルオープン制覇を果たした藤田寛之。年令を重ねて訪れる身体の変化に合わせて最適なトレーニング方法を模索しながら努力を続けている藤田が、苦難の末に18番グリーンで優勝を決めた瞬間、笑顔とともに複雑な表情を見せた。
周囲からの期待を感じる中で、頂きにあと一歩のところまで迫りながらも、指の間をすり抜けてきた日本一の称号。藤田自身もレギュラー時代からナショナルオープンへの思いは人一倍強いものがあった。
藤田がようやくにしてそれを手に入れたとき、胸に去来したものは、勝利への喜び、期待に答えることが出来た安堵感、緊張からの開放感だったのかもしれない。
藤田は、現在もより高みを目指して試行錯誤を続けている。レギュラー時代に比べて練習で打つ弾数を減らし、トレーニングする部位、期間、強度も最適解を探し続けているという。
今シーズンは、国内シニアツアーでは思うような結果が残せていなかったが、その効果が発揮されたと思われるのが、7月にNewport Country Clubで全米シニアオープンゴルフ選手権の大舞台だった。
USGAによる世界最高何度のセッティングが施されるナショナルオープンで3日目まで首位を独走。
全英シニアオープンを制した須貝昇、全米シニアプロゴルフ選手権優勝の井戸木鴻樹、マスターズチャンピオンの松山英樹に続く日本男子選手4人目のメジャータイトル獲得にあと一歩と迫るプレーを見せたがプレーオフで惜敗。
それでも、藤田のこれまでの努力が実を結んでいることを感じさせるプレーぶりだった。
2024年の国内シニアツアーは6月末時点で3戦が終了。
大会連覇を狙う藤田の前に立ちふさがるであろう選手は、好調なプレーで序盤戦を牽引している兼本貴司。
今季開幕戦となったノジマチャンピオンカップで2022年大会以来2度目の優勝を飾ると、次戦で12位タイ、3戦目のスターツシニアでも2位と上位に入り賞金ランキングでトップに立っている。
その兼本を僅差で追うのは今季2戦目のすまいーだカップでシニアツアー初優勝を飾った片山晋呉。
レギュラーツアー31勝で永久シード権を保持する片山は、昨年シニア入り。
参戦11戦目での美酒に片山の変わらぬ強さを感じさせた。
3戦目のスターツシニアを制したのは、昨年シニアツアー賞金ランキング1位の宮本勝昌。
第1ラウンドで首位に立った宮本は、最終ラウンドで1イーグル・6バーディの持ち前の爆発力で後続を突き放しての今シーズン初優勝。逆転を許した昨年大会のリベンジ、2年連続の賞金王のタイトル獲得、そして念願のアメリカシニアツアー参戦実現に向けて、エンジンがかかってきた印象だ。さらに、手嶋多一、谷口徹ら日本シニアオープン歴代優勝者も賞金ランキングで上位に入っており、2度目の戴冠を虎視眈々と狙っている。
本年大会の会場となるのは、千葉県野田市の千葉カントリークラブ・川間コース。
千葉カントリークラブ・梅郷コースでの日本オープン、野田コースでの日本女子オープンに続き、川間コースがナショナルオープンの歴史に名を刻むこととなった。
27ホールで構成される川間コースは、今大会で前半の9ホールを西コースと東コースからホールをピックアップし、後半の9ホールは南コースを使用する。 戦略性に富む18ホールは、さらに選手たちの熟練の技を引き出すために、4日間の風向きやホールロケーションをシミュレーションしながら細かなセッティングが施される。
選手たちはセッティングの意図、狙いを汲み取り、最善のクラブ選択をしていく。
選手たちの優勝を争う攻防とともに、コースとの戦いも是非注目して欲しい。