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【メジャーモードでナショナルオープンに臨んだアダム・スコット】 |
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第1日
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競技報告:塩原義雄 写真:Gary Kobayashi / Y.Watanabe |
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ツアー選手権後はトーナメントを離れて大好きなサーフィンに興じたり、夫人とのヨーロッパ旅行をたっぷりと楽しんでいたアダム・スコット。7年ぶりの日本には、今週の月曜日にヨーロッパから入る予定だったが、台風の影響で来日が2日遅れ、開幕前日朝になってしまった。宿舎に落ち着く間もなく足を運んだ日本オープンの舞台である千葉CC・梅郷コース。指定練習日は前半の9ホールをプレーしただけで、後半の9ホールは歩くだけのラウンドになってしまった。
メジャータイトルホルダーで世界ランキング2位。実力、実績からして優勝候補の筆頭に挙げられていた。
半ばぶっつけ本番で、第1ラウンドは、どんなプレーをするのか。そん
な興味を抱いてラウンドを追ってみた。
気づかされたのは、無理をしないゴルフだった。強気の攻め一辺倒ではなく、むしろ、大きなミスを避ける感じのプレースタイルでフェアウェイキープを優先させ、グリーンはセンターにターゲットを据える。そして、パッティングではラインを絞り込むのではなく、読みとタッチを確認しながらのラウンドという印象だった。読みと実際にどれほどのずれが生じるのか。そんなことを確認しながら、第2ラウンド以降のプレーにつなげていこうとする意図が伝わってくるプレーであった。
スタート前のドライビングレンジ、パッティンググリーン、アプローチ練習場、スコットのいるところは、大ギャラリーが取り囲んでいた。ラウンド中もギャラリーの大きな輪の中でのプレーとなった。そんなギャラリーを喜ばせることも忘れていなかった。最終18番は、607ヤードとたっぷり距離のあるパー5ホールである。さすがに2オンする選手はいないだろう…というのが大方の予想であったが、第1ラウンド、市原弘大が第2打を3番ウッドによる「最高の当たり」(市原)でグリーンに乗せてきた。そして、スコットである。フルスウィングしたという第1打は、340ヤードのビッグドライブとなって、ギャラリーの歓声を呼んだ。フェアウェイセンターからの第2打。スコットが、なんとアイアンを手にしただけで「ウォー!」。ピンまで265ヤードの距離を2番アイアンで放ったショットに「ワーッ!」。ボールがグリーンをとらえると一段と大きく「ウォー!」。追いかけてきてくれたファンに最高の土産話をプレゼントしてみせた。
攻めるときは、攻め切る。その姿勢を最後に見せてくれた。世界のトッププロの4日間のゴルフには、起・承・転・結の流れがある。メジャー大会では、それが鮮明に表現される。第1ラウンドは「起」。ホールアウト後にスコットは、自分のプレー、スコアを振り返って言った。
「2アンダーパーは、最高とはいえないが、4週間トーナメントを離れていての第1ラウンドとしてはまずまず順調な滑り出しだと思う。昨日8時間熟睡できたし、今日もぐっすり眠れれば、時差ボケも解消されると思う。トップと5打差?まだ54ホールもあるのだから、問題ない」。
今日1日のプレーで、しっかりとギャラリーの心を鷲掴みにしたスコット。第2ラウンド以降は、着実にスコアを伸ばしていくだろう。それが、メジャーモードであり、世界のトッププロの勝利への流れの生み出し方なのであるから…。
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