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【手探り状態の中で光明が見え始めた池田勇太が1打差の2位に食らいつく】 |
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第2日
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競技報告:塩原義雄 写真:Gary Kobayashi / Y.Watanabe |
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「勝ちたい」は願望。「勝つ」は意志。「勝てる」は、裏付けのある本当の自信。今シーズンの池田勇太は、どのレベルでトーナメントを戦ってきたのであろうか。
「勝ちたい、という気持ちは、当然ある。でも、勝つ、というには“じゃあ、どうやって?”という答えのない自問自答をくりかえさなければならない。まどろっこしいけど、それが現状で、ずっと続いていた。この大会に入って、日本オープンだから…という特別な思いに奮い立ったというわけじゃないけど、ショット、パットともに、ちょっと調子が上がってきて、なんとかなるかもしれないと希望を持てるレベルにきた。“ようし、勝つぞ!”というには、まだ、何かが足りない状態とい
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うか、自分でつかんだチャンスをモノにしたいというのが本当の気持ちだから、まだ願望の段階を抜け出していないように思う」。
ならば、2日間で通算8アンダーパー。トップのマークセンに1打差でくらいつく結果は、どうして生まれたのだろう。
「うーん、こうは言いたくないけど、“たまたま”というところがある。第1ラウンドは、自信を持ってストロークしているわけじゃないのに、“打てば入る”という状態だった。第2ラウンドは入ったり、入らなかったり…。“あれ、そんな方向に切れていくの?”と、自分でも驚かされるシーンもあった。“入れた”じゃなくて“入ってくれた”という結果が多いから、本当の自信じゃないんだと思う」。
そんな状態だから、自分に過度の期待をかけない。それが、適度なリラックス状態でのゴルフとなり、淡々とプレーを続けさせているのではないだろうか。
スタート前のドライビングレンジで、こんなシーンがあった。ショートアイアンからドライバーまでひととおり打ち「まあまあ、かな…」。そして、再び3番ウッドに戻ってティーアップしたボールを数球打った。スタートの1番ホールは、3番ウッドでのティーショットと決めている。だから、本番で最初に手にするクラブで締めくくったのである。そして、引き上げる間際にもらしたのは「こんなところで許してやるか…」の一言であった。ボール籠には、まだ練習ボールがだいぶ余っていた。もっと打ち込みたくなる自分にブレーキを掛けたのか、ショットの出来を自己評価したのか、そのあたりはわからないが、ここにも、自分を追い込み過ぎないように心掛けている池田の姿がうかがえた。
「1番で下りスライスラインの4メートルぐらいの距離が入ってくれて、気持ち良くラウンドできそうだな…という気配が自分の中に生まれて、2番、3番と難しいパーパットを決められた。こういう“決めた”と思えるパットは自信につながるよね。あとは、入ったり、入らなかったりで、現状の自分が出ていたかな。9番アイアンの第2打がベタピン(20センチ)につくショットで決めたバーディもある。風も強くなってきた中で、2アンダーパーという(第2ラウンドの)結果は、“ま、こんなもんだろう”という感じ。うまくできた方じゃないかな」。
戦いの中で、願望から強い意志へ。池田に光明が差しこんできているような気がする。意志が確信になる後半2日間のゴルフ、戦いぶりを見てみたい。
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