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【セルフコントロールでピンチを凌いだ池田が初戴冠に大きく前進】 |
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第3日
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競技報告:三田村昌鳳 写真:Gary Kobayashi / Y.Watanabe |
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「焦っても、のんびりしても、気持ちを自分でコントロールしていけています。沈めるところ、仕方のないところ、そこらへんをしっかりと我慢できていたのだと思う」と、池田勇太らしい表現で、この日のラウンドを振り返った。
4番でバーディ。5番でボギー。8番でバーディ。これが前半の動きである。けれども「よく我慢出来ていると思うよ。いつもは途中で切れたりするんだけど、今週は、そういう自分はださないようにしているんですよ」と言った。
その耐えている自分に、ご褒美が来たのは、後半の9ホールだった。11番バーディ。12番ボギー。そのあと、13番では10メートルほどの距離を沈めてバーディを奪った。「狙える距離
でも、狙えるラインでもなかった。近くに寄ればいい、という気持ちで打ったんですよ。あれを狙ったら、むしろ3パットがありますからね。でも、耐えてきたご褒美だったと…」もっとも耐えたのは、その後、14番と16番。とりわけ14番は、残り距離がピンまで205ヤードだったから「手前のエッジあたりから、這いつくばってコロコロと寄ってくれればいいな、というイメージで、8番アイアンで打ったんですよ。多少のフライヤーも計算していたんだけど。エッジまで192ヤードだったしね。そしたら、グリーンのいちばん奥までいっちゃったでしょう。なんであんなに飛んだのかなぁ。想像しがたいけど、それをうまくパーで切り抜けられたのが、15番のバーディに繋がったのだと思う」と振り返る。
圧巻は、最終18番、607ヤード、パー5だった。第3打。グリーンを狙うショートゲーム。残り距離60ヤード。それをピン左手前80センチに寄せてのバーディだった。「自分のイメージだと、2打地点で残りが300ヤードだったから、80ヤードぐらいのアプローチで寄せていくイメージだったのに、60ヤードでしょう。いちばん、悩ましい距離が残っちゃったなと思っていたんです」。
後半になって、池田のショットはよく振れていた。アドレナリンも手伝ったのかも知れない。けれども、池田の言葉通り、メリハリの効いた、そして、決して自分から切れずに、よく耐えてプレーしていた。
「いつもなら、切れるのに……」という言葉が、どうしても引っかかった。いつもなら切れるのに、何故、今週は、切れずに耐えられているのだろう。会見後、池田にこそっと聞いてみた。すると「それは、ある思いがあるからです!」と答えた。その思いとは? と聞き直すと「明日、終わったら話します」と言った。そう、明日終わったら(優勝したら)という強い気持ちを感じた。是非、聞かせて欲しい。
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