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【2位タイの小平智はホールアウト後にその足で渡米の途に就く】 |
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第4日
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競技報告:塩原義雄 写真:Y.Watanabe |
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最終ラウンドに4アンダーパーの66をマークして追い上げた小平智は、ホールアウトすると練習グリーンへと向かった。池田勇太に1打差となっていた。念のためにプレーオフに備えての行動であった。
「いや、プレーオフにはならないと思っていました。だから、本当に念のために…です。ボールを転がしながら何を考えていたか、ですか?“今日は、目指してきた自分のゴルフができたなぁ”なんて満足感と充実感に浸っていました」。
今シーズン、小平は、方向性を重視したゴルフの確立に取り組んできた。狙ったエリアをいかに正確にとらえていくか。点と線をいかにつなげていくか。最終ラウンドも、3日目までと同じ姿勢でコースと向き合
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っていた。他の選手がティーショットにウッドを手にするホールでも、小平はアイアンで打ち出し、フェアウェイを確実にとらえるゴルフに徹した。例えば14番。513ヤードと距離の長いパー5ホールだ。3番アイアンを2度使ってピン手前2.5メートルにつけて方向性重視をバーディにつなげた。
「自分がやろうとしてきたことは、間違っていなかった。それを確認できたことが、なによりもうれしいし、自信にもなりました」。
実は、米国のQT挑戦が控えていた。松山英樹、石川遼と同世代の小平は、彼らに続いてアメリカツアーでの戦いを計画していたのだ。そのためにも、方向性重視のゴルフを身につける必要性を感じていたのである。
池田の優勝が決まると、帰路についた。「これからいったん家に戻り荷物をまとめて空港(羽田)に向かいます」。行先はカリフォルニア州。到着後の火曜日(現地時間)には、QTが始まる。練習日は、1日しかない。
14番のバーディで通算9アンダーパーまでスコアを伸ばした後も、15番からの3ホールで惜しいバーディを逃し続けた。カップ縁をクルリと回ってはずれたり、カップ縁に触れながら、通過してしまったり…。ひとつでも決まっていれば、違った展開になったかもしれない。しかし、小平は、そのことに頓着していなかった。「外れてしまったのは、結果でしかないと思います。それよりも、チャンスを作れたショットに手応えがありました。自分では満点のゴルフができたと、自分に胸を張れる内容で満足しています」。
優勝争いに加わりながら、心は、QTに飛んでいたようだ。「日本オープンでのゴルフを、そのままアメリカに持ち込んで戦ってきます」という言葉を残してコースをあとにした。
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