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【日本アマチャンピオンの金谷も大健闘の8位タイ】 |
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第1日
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競技報告:三田村昌鳳 写真:Y.Watanabe |
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金谷拓実が、プレー中に気をつけていることがある。それは「姿勢を正しくして歩く」ことだという。「やはり正しい姿勢で歩いていると気持ちも落ち込まないし、自分の中で堂々としていたいじゃないですか。それに、一緒に回っている相手にも、心の中を読まれないで済みますからね」と語っていたのは、今年の日本アマチュアゴルフ選手権の時だった。その日本アマに優勝して、この日本オープンに出場するのが、17歳の少年の夢だったのである。
だから、昨日もワクワク感と同時に不安感や高揚感も手伝って、10時半にはベッドに入ったものの「途中、ちょくちょく起きてしまいました」と言った。起床時間が、3時。スタートの4時間前には、必ず
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起きる。7時36分のスタートだから、それは予定通りだった。この大会に向けて、自分なりに準備をしてきた。
「プロツアーで今までなかなか良い成績出てなくて、特にスタートで出遅れが多かったので、今日は日本オープンということもあって、事前に準備も出来てたし、コースをイメージして練習も出来ていました。フィジカル面もしっかりトレーニング積んでこられたと思っています。練習ラウンドは昨日が初めてです。女子の試合がやっていたので、テレビで観たり、ホームページでコースレイアウトなどを見て研究しました」
身長が170センチ。その小柄な体を背筋伸ばして、姿勢よく歩くことで、ひと回り大きく見せたかったのだろう。その話をすると「ちゃんと(正しい姿勢で)歩けていましたか?」と聞かれた。得意なクラブは「自分の生命線はパター。あとはショートゲームですね」というように、パッティングが抜群に上手い。毎日かかさずに1時間、300球、自宅のマットで練習している。「パターのフェースのちょうど芯部分を中心に左右2センチほどの間隔を開けて、爪楊枝を縦にして、ガムテープで止めるんです。ボールの芯とパターの芯に当たれば、爪楊枝は邪魔になりませんからね。その練習を、中学に入ってから毎日しています」と語った。それがしっかりと芯でとらえるストロークが常にできる秘訣だったのである。
そのパッティングが、今日の3バーディ・ノーボギーのプレーに大きく貢献していた。10番からスタートした金谷は、12、14番のパー5でともにバーディを奪った。いずれもレイアップして1メートル、2メートルを沈めてのバーディだった。パッティングで助けられナイスパーを拾ったホールは、いくつかあるが「18番、2番、3番ですね。特に、2、3番は両方とも3メートルが入ってくれました」と語る。
「ドライバー、アイアンが劣る分、パットとアプローチでカバーしないといけないので、なんとか生命線がうまく保てればと思います」
日本アマに勝ったことで、9月には英国遠征のメンバーに選ばれた。デューク・オブ・ヨーク・ヤングチャンピオンズ・トロフィーだ。そのとき女子代表も一緒で、同世代の勝みなみと初めて会った。遠征中に、勝みなみとも、たくさん話す機会を持てたという。もっぱらゴルフの話題だった。「(昨年のKKT杯バンテリンレディスオープンに)優勝したとき、どんな心境だった?」「自分が、もうひとり自分の上で見つめている感じだった」という会話もしたという。「(この日本オープンで)そういう気持ちになってみたいですね。まずは、予選通過して、ローアマチュアを獲るというのが目標で臨んでいます。でも、こんなに良い位置で第ラウンドを終えられると思ってなかったので、来年も出場出来る15位を。(アマチュア優勝は1人しかいないけど挑戦してみたいとかは? と記者の質問には)もちろん第3ラウンドが終わってそういう位置にいるようなら是非優勝したいと思います」という金谷は、肉体的な姿勢だけでなく、ゴルフに対する姿勢も、自分の心情も、実に素直な姿勢だった。
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