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【金谷は最終組でのプレーに「夢のようでした」】 |
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第3日
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競技報告:三田村昌鳳 写真:Y.Watanabe |
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よーく見れば、金谷拓実のズボンのベルトが、ゆるんでいた。ベルトの穴は、いちばん最後。それ以上は、しっかりと締められない。本選手権に来る前は、その穴で十分だったものが、この3日間の激戦で、痩せたのだろう。「あ、ホントですか?」と記者会見で記者に指摘されて「痩せたのかも」と気がつくぐらい、無我夢中の3日間だった。プレー中、ときおりシャツがズボンからはみ出して、それを直すしぐさが多かった。「普段は、そんなことがないんですけどね。それに(はみ出したら)みっともないですから。そういう姿を見せられませんから、そのたびに直していました」と、これも痩せたが上に起こる現象だった。プレー中は、バナナなどを補給でき
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ないタイプだという。「お腹が空かないんですよ。ですから、ゼリーを飲むくらいです」とすべてが、新鮮に感じるコメントだった。
日本オープンの第3ラウンド。金谷は、最終組で回った。「すごく緊張しました。はい、朝からずっとです。朝起きて、新聞に、なにか(自分の記事が)載っているのかな、と思ってみたら、凄いじゃないですか(笑)。88年ぶり(のアマ優勝か)とか。プレッシャーが一気に来ました。そしてコースへいくと、ギャラリーの方々から声援を受けたり、僕の名前を呼んでくれたり、夢のようでした」と素直に語った。
ワクワク感もあった。そんな、いつも通りの自分の立場ではないのに、金谷は「確かに、結果的には2オーバーパーでしたけど、しっかりとプレーに集中できていました。ただ、第1ラウンド、第2ラウンドに比べてパッティングが入らなくて苦労しました。ラインが一筋違っていたんです」と語った。おそらくそのラインの一筋は、いままで経験したことのないプレッシャーによる微妙な反応の表れだったのだろう。
首位の小平が通算13アンダーパー。金谷は、スコアを2つ落として、通算7アンダーで5位タイ。堂々たる活躍である。「プレー中もホール間で応援して頂いて、そういうことが凄く嬉しかったですね。気持ちが高ぶっているので、きっと疲れも感じませんし、欲を言えば、1つでも2つでも上(の順位)にいきたいですね」と語った。共同記者会見を終えて、セルフ用の小さなキャディバッグを担いで、練習場へ向かおうとしていた。関係者に「カートに乗って送っていきますよ」と促されて「え? ホントにいいんですか?」と、これも驚きのような表情でカートに乗り込んだ。17歳のアマチュアゴルファーらしい風景だった。
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