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【池田は2打差2位に「日に日に気持ちが高まっている」】 |
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第3日
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競技報告:三田村昌鳳 写真:Y.Watanabe |
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最終18番。490ヤード、パー4。池田勇太は、ピンから14メートルにつけていた。入ればバーディ。しかし、そんなに楽なラインではない。フックしてスライスする。入る確率は、極めて低い。けれども、池田は「いけそう」という気配を気持ちの中で感じていた。「ラインを読んでいるうちに、届けば入るなぁ、という気がしました」と語った。そのとき、首位を走っている小平智は、通算15アンダーパー。途中、後ろの組の歓声が、池田の組までよく届いていた。大きな歓声が湧くたびに「あ、また入ったな」と思ったという。池田は、逆に、前半で苦しんでいた。「(ピン近く。バーディチャンスに)ついてもはいらない。(より近くに)つけたいと思
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ってもつけられない」1番でバーディのあとずっとパーが続き、7番ではボギーで前半はパープレー。後半12番でようやく5メートルを入れて流れを掴んだ。14番、3メートルを決めてバーディ。「よし!」と思っていたら、15、16、17番でバーディがとれない。「悔しい思いで18番にやってきたんですよ」ティーショットは、思い通り。第2打をミス。グリーンへ向かっているときには、まだ悔しさの残像があった。そんなときだ。池田の動物的嗅覚が働いたのである。
池田は、唇を噛み締めながらガッツポーズをした。久しぶりに気合の入った表情を見せた。
「なんとかして(明日)最終組に入りたかった。そうすればプレッシャーもかけられるしね」と池田は語った。昨年の本選手権は、逃げ切り優勝だった。小平が猛追したけれど、池田は振り切った。今年は、逆な立場で最終ラウンドを迎える。そして、昨年の大会は、ある決意を持って臨んだ。「3週間前に、キャディの福ちゃん(福田央さん)から『日本オープンに勝ちたい!』って、真剣な顔で言うんですよ。あまり物申さないキャディなんだけど。そうかぁ。そういう思いを共有してみようかな」という密かな決意だった。
それから1年が過ぎた。池田は、今年、どんな決意で日本オープンに臨んだのだろう。「僕のチームのみんなが、自分も当然そうだけど、2連覇ってやっていないな、ということになり、あ、ブリヂストンオープンはありますけど…ね。でも、気持ちは、日本オープンの連覇というものに挑んでみようという気持ちがあるんです」確かに、池田が連覇すれば、史上6人目の快挙になる。
「最終組に入れるように、がんばろう。そういうなにか自分に対してモチベーションを持って戦わないとね。その意味では、日に日に高まってきていますよ。(ティーショットは)絶好調じゃないけど、それなりのゴルフはできています。噛み合えばいけると思う。難しいセッティングは、技量だけでなく、パッティングも含めて、どこまで噛み合ってくれるかでスコアが大きく変わると思うからね。そういう気持ちが、今日の18番に表れたのっだと思う」と語った。
それでも「この大会、このコースは、気の抜けない18ホールになるから、厳しいゴルフの中で自分がどこまでやれるかも、楽しみです」という。
ちなみに小平と池田が、最終ラウンドを最終組で同組になったのは、今年のアジアパシフィックダイヤモンドカップに続いて2度目。そのときはともにスコアを伸ばせず、もう一人の最終組、金庚泰に苦杯をなめさせられた。2サムで一騎打ちとなる明日の最終ラウンドは、どちらにゴルフの神様が、味方をするだろうか。
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