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【1打差で連覇を逃した池田勇太は「勝てなければ意味がない」】 |
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第4日
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競技報告:三田村昌鳳 写真:Y.Watanabe |
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戦いを終えて、メディアの囲み取材にやってきた池田勇太は、口を横一文字にして双眸も空ろな表情だった。質問にたいする答えも、いつものような歯切れはなく、声も小さかった。よほど悔しかったのだ。そのはず。勝てるチャンスは、いくつもあった。けれども、1打足りずに連覇できなかったのだから。
「追いかけられるよりも、追うほうが大変ですよ。だって、余計にバーディを獲らないといけないんですからね」と3日目、2打差で首位の小平智を追う池田は、言った。その池田と小平の一騎打ち。先制パンチは、小平だった。1番でバーディ。逆に池田は2番でボギーを叩き、差が開く。3番で、池田が奪い返して、3打差。4番は、共にボギー。5
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番は、池田がボギー。小平は、8番で、366ヤードをワンオン狙いの勝負を賭けた。わずかに乗らなかったが、バーディをもぎ取った。4打差。池田は、すかさず6、7、そして9番とバーディを奪って、2打差でサンデーバックナインに入った。
池田は、10番から16番まで、バーディが獲れないでいた。いくつものバーディチャンスを外してしまっていたのだ。一方の小平も、10番でパーパットを外し、池田がナイスパーを拾って、ここで1打差に詰め寄った。さらに13番、池田は絶好のバーディチャンスを外した。小平が、再び2打差に戻せるチャンスだったけれど、その小平もボギーとしてしまう。
池田は、バーディチャンスを外し、これを入れないとボギーになるという難しいパーパットを強いられるというゲームがずっと続いた。14番も2打目をバンカーに入れて、4メートルを沈めてのナイスパー。15番では、小平がバーディを獲り、池田は、バーディチャンスを外す。16番を終えて、小平は通算12アンダーパー、池田は、通算11アンダーパーで1打差で残り2ホールとなった。
会心のバーディを池田がもぎとったのは、17番だった。ピン左横5メートルを沈めてのバーディだ。小平は、ピン奥4.5メートルを2パットでパー。勝負の行方は、最終ホールにもつれ込んだ。
18番、池田が、最初に打とうとしたときに、ギャラリーのスマートフォンのシャッターが切られた。キャディがすかさず「カメラ!」と叫んだ。池田は、仕切り直しした。間合いが合わない。中途半端な間合いのまま打った。左バンカー。飛球方向のアゴが高かった。それでも池田は、集中を切らさずに6番アイアンで、見事なショットを放った。「(そのショットは)100パーセント厳しい状況の中で、やれるところまでやったから」。ピンまで30ヤードという距離まで運んだ。運と不運があるとすれば、今日の池田は、不運が重なった。その重要な3打目を打とうとアドレスに入った時に、今度は、バサッと木の枝が落ちた。「それを言ったら切りがないけど、1番から何度もカメラの音に邪魔されたことは確か……。でも、結局、1打足りずに勝てなかったのは僕の責任だから。勝てなければ意味がない」と言った。最終ホール。仕切り直しのアプローチは、ピンまで3メートル強の距離に止まった。しかし、そのパッティングを外した。ボギー。小平は2パットのパー。1打足りずに、敗けた。
惜しむらくば、10〜16番の間に、ひとつでもバーディが来れば、流れは変わったのかも知れない。でも池田は、こう言った。「いや、あれも勝負の流れですから。でも、全体的に無駄なホール(とりこぼし)が多かった」最終ホールまでもつれ込むことを想定していたのかも知れない。
ディフェンディングチャンピオンとして連覇のチャンスがあっただけに、池田は、尚更悔しい思いをした。
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