“おはようバーディ”という言葉をプロ選手からよく耳にする。朝のスタートで幸先の良いバーディを奪うと気分良く18ホールをプレーできるという。青木瀬令奈の場合は、10番からのスタートで、なんと、“おはようボギー”からのラウンドとなった。「まあ、ボギー先行の1日だったんですけど、先週からパッティングの調子がいいので、それを忘れていいイメージで回ってこられました」と言った。
10番でボギーのあと、11、12番と連続バーディがきた。さらに15番も奪うと、17番(パー3)では172ヤードを9番ウッドでピンの上、2メートルにピタリとつけてバーディ。続く18番も、残り90ヤードの3打目を50度のウェッジ
でピン奥4メートルにつけ、それを沈めてバーディ。前半を32で折り返した。
「私はどちらかと言ったらフック回転でパッティング(のストロークを)するんですけど、それがちょっと強くなりすぎていて、逆に出球が右に行きすぎちゃったり、フックラインで切れすぎちゃったりっていうので結構安定しなかったんです。でも、先週の(ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンの)初日はそんな感じで、2日目以降、気持ちアウトサイドインじゃないですけど、フックラインの時に特にアウトサイドインくらいのイメージで、ちょうど軌道的にはイントゥインのいい転がりができていたので、そういうイメージを先週もってやっていて。今日もフックラインの時はちょっと気をつけようかなっていうくらいで、でもやっぱりグリーンがちょっと雨もあって、スピードが重くて打ち切れない部分が……1 番ホールのボギーはそんな感じだったので、しっかり打っていこうという気持ちで、プレーを進めた結果が良かったです」と語った。青木本人の微妙なイメージと閃きが好調に繋がったということなのだろう。
後半に入って、5番(パー5)でバーディを奪い。8番でボギーとして、36。通算68の4アンダーパーでホールアウトした。ちょうど青木が6番をプレーしている最中に、芦原ゴルフクラブのシーサイドの天候が大きく変化した。いきなり雨と風に見舞われた。スコットランドのリンクスやシーサイドのコースなら目まぐるしい天候の変化は当たり前だけれど、まさに、日本にいながら、シーサイド特有の天候に出くわした。「あー、しんどいなと思った瞬間に8番でボギーでしょう」気持ちの揺るぎが、そのままスコアに表れた。8番。第1打を左に大きく曲げて、トラブルの第2打は木と木の間を3番ウッドでうまく抜いた。残り95ヤード。ピッチングウェッジでピンまで15メートル。それを2パットのボギーだった。
「(ナショナルオープンの日本女子オープンは)勝ちたいですねぇ」と心を込めて言った。
「私、中学生の時から出させてもらっていて、やっぱり毎年コテンパンにやられ続けて、毎年成長も感じながら今年を迎えて、毎年違うコースでやるっていうのもまた難しさだったり、楽しさの一つでもありますし、自分の成長を感じられる部分だと思うので、そういったところは毎年楽しみにさせてもらっています。やっぱり一番勝ちたいですよね、メジャー大会って。もちろん毎週優勝を目指してやっているんですけれども、その中でもメジャー大会って、セッティング的にも難しくなりますし、選手もみんなそこに向けて標準を合わせて来てる分、競争率も高いですし、あとは歴史ある大会ということで、そこに名を連ねられるってことはプロゴルファーとしては最大の名誉だと思うので、そこに自分も名前を残せるように頑張りたいなと思います」という青木は、パッティングの好調に助けられて、上位をキープして第1ラウンドを終えた。
|