ケガでシーズン中盤は“中だるみ”状態だった吉田優利が、ナショナルオープンで完全復調を印象づける好プレーを披露した。4月のワールドレディスでメジャー大会を初制覇している吉田は、この日本女子オープンでメジャー大会連覇でのシーズン2勝目を狙っている。
「ようやく不安なしに振り切れるようになりました」というドライバーショットが「70点ぐらいの状態」でときどきラフに打ち込むシーンはあったが、フェアウェイをヒットすればグリーンをしっかりとらえるアイアンショットが光り、バーディチャンスを決めきるパッティングも安定していた。10番ホールからのスタートで前半は3バーディ。後半に入って2番でもバーディを加え
て、この時点で4アンダーパーにまでスコアを伸ばした。
この後、第1ラウンドは「70点」という自己採点で減点対象となったラフに打ち込むホールが4、6番とくる。両ホールともボギーにしたのだが、その間で実は、大きなプレーが出ていた。5番(パー5)である。第2打の3番ウッドでグリーン手前の花道をとらえ、そこからピンまで20ヤードのアプローチショットをチップインさせてのイーグル奪取であった。さらに6番ボギーの直後の7番ですぐにバウンスバックを決めるバーディを奪ってもいる。「ケガで棄権したこと、翌週を欠場したこと。大事をとっての処置でしたが。この決断が良かったのだと思います。大ケガにならずに、そのあとは試合も、練習も続けられたことで大事な日本女子オープンにほぼ万全の状態で臨めました」。
今大会の舞台である芦原ゴルフクラブは日本海に面したシーサイドコース。グリーンは小さめでまんじゅう型になっているホールが多い。起伏も微妙だ。ラフも深め。シーサイドコースでは、それが攻略の大きな味付けになる風をしっかりと考慮された設計である。それだけにスコアメイクの基本になるフェアウェイヒットとコントロールされたアイアンショットが勝負を分けることになる。吉田は絶好のタイミングで復調してきたようだ。
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