ナショナルオープンを2位グループで週末に臨むことになった青木瀬令奈。練習ラウンドのためにコース入りしてから、ずっと続けていることがある。それはコースから車で15分ほどのところにある加賀ゴルフ道場という練習場通いだ。施設には、トレーニング器具や短いドライバーやアイアンがあって、スウィング調整、ショット調整、体幹強化もできる。マットも右足上がり、左足上がり、つま先下がりなど様々な状況が設定できる装置もある。青木は、その道場で試行錯誤を繰り返している。
アドレスで右骨盤が高くなっていることで、インパクトに向けてのクラブの入り方が鋭角になり、必要以上に打ち込むようになっていたことを知ったのも、そ
うした中での気づきであった。「良い時は、もっと左足に骨盤が乗っていたな……」と思い、練習場では、その構えが修正出来て、思うようなショットを打ち出せるようになったが、いざコースに出ると、やり切れない。そのため、「ショットが本当にチャンスにつかない状態でラウンドを強いられている」という。
青木は、今大会では「4日間60台のスコアでラウンドする」という目標を立てて臨んでいた。第2ラウンドは、17番ホールまで2アンダーパーにとどまっていた。最終ホールは第2打でピンまで90ヤードほどの距離に運び、50度のウェッジで1メートルにつけた。このパットを沈めて4バーディ・1ボギーの69。連日60台という目標をクリアした。「17番もチャンスだったけど、打ち切れずにショート。こうなったら最後(バーディを)獲るしかないなって気合いをいれていたので。とりあえず当初の目標を2日間はクリアできたので、“最低限”のことはできたと思います。後半の2日間は1打も気の抜けたショットを打たないように、強い気持ちで臨みます」。
最後に「臨みたい」という願望ではなく「臨みます」と意思表示したところに青木の充実がのぞいていた。
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