木村彩子にとって今年の日本女子オープンは期待することの多い大会だった。
意気込む理由のひとつが、これまであまりいい成績を残せていないこと。とりわけ紫カントリークラブすみれコースで開催された昨年大会は大きな悔しさが残る。第2ラウンドを終えて単独トップも、ムービングデーに79とスコアを大きく落とし、最終的に22位タイに沈んでしまった。それだけに、「今年こそは頑張りたいなと思っていました」と胸の内を明かす。
「今年こそ」と思える理由はいくつかある。
まず、舞台の芦原ゴルフクラブは、木村が師事する南秀樹コーチと練習する機会の多い志度カントリークラブ(香川県)と、アンジュレーションやコースから
見える景色、そして海風の感じがとても良く似ている。多くの選手を悩ませた強い高低差による距離感も、「志度カントリークラブと似ているので、違和感なくできました」という。 加えて、今年は8月のAIG全英女子オープンに出場し、舞台のウォルトンヒースGC(イングランド)で強い風や深いラフを経験。それらに対するマネジメントを覚えたことも自信になっていた。
ツアーでは、ここまで低迷が続く(ポイントランキング59位)。来季のシード権(50位まで)も危ぶまれる状況だが、「コーチの南さんとは、(シード権確保ではなく)優勝にこだわってやってきて、最近ようやく自分の技術と気持ちが整ってきた感じ。もう少しで勝てるかな、と思っていました」と語る。
そして、迎えた今大会は「全体的に安定したプレーが出来ました。2日目はティーショットがラフに行くホールが多かったのですが、それでもパープレーにまとめられたことが良かったです」。そこで、コースに対する自信を深めたのだろう。通算3アンダーパーの18位タイで迎えた最終ラウンドは6バーディ・1ボギーの67。今日のベストスコアで3位タイと自身最高順位を大きく更新した。「今日はフェアウェイを1~2回しか外さなくて、その外した4番(パー4)もセカンドがピンにくっついてくれて、バーディを獲れたことで、その後は良い流れができました」。
ツアーは、来週もアップダウンのきついコース(東名CC、静岡県)が舞台。「私の好きな、得意なコースなので、頑張りたいなと思います」。
これまでいい成績を残せなかった日本女子オープンだが、今年はここでいい流れを掴んだようだ。
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