2バーディ・ノーボギーとスコアを伸ばした菊地絵理香だったが、さらにスコアを伸ばした原英莉花に3打及ばずに2位で日本女子オープンを終えた。「原さんが、本当にいいゴルフをしていた。あそこまでスキのないプレーを続けられたら、私が負けたというより、原さんが堂々と勝ち切ったという試合になったのではないでしょうか」。
悔しさを感じさせないグッドルーザーのコメントではあった。それにしても今大会が16回回目の出場で、タイを含めて3度目の2位。最初は2013年大会(相模原GC)だった。宮里美香を4打差で追ってスタートした最終ラウンド、後半の15番ホールでついに追い抜き、単独トップに立った。途端に緊張に襲わ
れたといい、パッティングにパンチが入ってしまっての連続3パットで2位タイに沈んだ。2度目の2位タイは、その2年後の2015年大会だった。このときは、最終ラウンド最終ホールでチョン・インジと金美香に並ばれてプレーオフにもつれ込んだ。金が脱落して菊地とインジのプレーオフが続き、4ホール目で菊地がバンカーに打ち込むボギーにしてインジの初出場初優勝の快挙を許してしまった。
今大会の最終ラウンド。菊地は、こんなことを考えていた。「このコースでは、パー5のホールで原さんの飛距離が大きな武器になり、バーディをとってくると思う。だから自分は丁寧に第3打勝負をしていこう。あとは、距離の短いホールで積極的に攻めてくらいついていかないといけないな…」ほぼ狙い通りのゴルフを展開したのだが、悔やんだのは距離の短いホールの攻め方だった。「グリーンが柔らかくてボールが止まるだけでなく、バックスピンでかなり戻ってきてしまう状態だった。戻りすぎるのがわかっていても、奥に外すと大きなトラブルになるホールが多くて、突っ込み切れませんでした」。
15番(パー5)ホールでの原のバーディで、その差は3打差。そして16番ホールで原が3㍍ほどのパーパットを残すピンチを迎えたが、このパットが決まったことで、勝負も決まった。菊地は最終ホールまでいくまでもなく敗戦を覚悟したという。スキのないゴルフと菊地が原を称えたのは、そんな流れからだった。
「もう、2位は、いらないかな……。でも、いつまで(ゴルフを)続けられるかわからない。出場する限りは優勝を狙い続けたいですね」。
まだ菊地の挑戦は、終わらない。
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