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Championship Reports競技報告

写真:Y.Watanabe

2024年度(第57回)日本女子オープンゴルフ選手権が9月26日、茨城県坂東市の大利根カントリークラブ西コースで開幕する。JGA創立100周年を迎える中で開催される本大会は、6,845ヤード・パー72と大会史上最長のヤーデージにセッティングされ、深いラフもあり女子ゴルファーの頂点を目指す争いは厳しいものとなりそうだ。

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昨年大会、自身2度目の戴冠を果たし連覇による日本女子オープン3勝目を狙う原英莉花。今年はここまで22試合に出場し未勝利でベスト10フィニッシュが5試合、予選落ち5試合と思わぬ苦戦を強いられている。「優勝したい気持ちが強い。なによりこのタイトルが自分の中で大きなものなので、自分の調子よりも気持ちで戦っていきたい」とナショナルオープンのタイトルの重みを知る選手ならではの言葉を紡ぐ。コースセッティングについては、「ショートアイアンでグリーンを狙えるホールがほとんどなくて、ミドルアイアンやロングアイアンを使うことになる。セカンドショットの精度はもちろんですけれど、ティーショットをいかにフェアウェイに置くことができるか。16番から最終ホールまでの3ホールは特に距離が長いし難しいので、注意したい」と、他の選手同様に警戒感を強めている。今シーズンはクラブでも試行錯誤を続けている。「ユーティリティーと5番ウッド、ショートアイアン以外は自分のイメージと逆の球が出ています。ここ数日の寒暖差で振り感も変わっていることもあります。気持ちでカバーしないと、このコースでは戦えなさそう」と苦笑いも見せるが、「今は、へこたれてはいられない。気持ちが引き締まっています。現状の自分の調子は30点というところですが、それを忘れて50点ぐらい上乗せして、自分は80点のゴルフなんだと言い聞かせて頑張りたい」と、自らを奮い立たせている。「中学・高校の頃からの憧れの舞台」、このタイトルを「いまでも小さい頃からの夢という位置づけ」と表現する日本女子オープン。毎年、本選手権を迎えると「毎週、色々あって凹んだりしながらも、ここに来ると初心に帰るではないけれど、今の調子よりもここで結果を出したいという前のめりの気持ちになります」と話す。苦しみが続いている今シーズンの原。昨夜のチャンピオンズ・ディナーでは、ディフェンディングチャンピオンとして「JGA創立100周年で大会も盛り上がると思うので、自分がその盛り上げ役になりたい」と挨拶をして乾杯の大役を果たした。その言葉とおり、本大会の主役を務め、4人目の大会連覇を達成できるか。

今シーズン6勝をあげてメルセデス・ランキングトップを独走している竹田麗央。樋口久子、畑岡奈紗に続く同年での日本女子プロゴルフ選手権とのダブルタイトル獲得の期待も高まるが、「プレッシャーは特に無いです」と落ち着いた雰囲気で明日の開幕を迎える。それは、「ゴルフの調子もボチボチなので、良いコンディションで開幕を迎えられるように調整したい」という自分のゴルフへの確かな手応えもあるのだろう。本選手権には過去4回出場し、「日本女子オープンは、距離が長くラフも深い。グリーンが硬い」と厳しいコースセッティングの印象を強く残している。さらに本大会は史上最長のヤーデージで、400ヤードを超えるパー4が6ホールもあり、各選手にはティーショットの飛距離も求められる。それでも、竹田自身はドライビングディスタンス3位と飛距離も武器にしているだけに「パー4の2打目でユーティリティーを使うことはあまりないので、今週は距離が長いです。でも距離が長いほうが好きですし、ドライバーでしっかりとアドバンテージを取ってセカンドショットを短い番手のクラブで打てるのは有利かと思います」と、史上3人目の快挙達成に自信を持って挑む。竹田は2021年大会で7位タイとなりローアマチュアを獲得し、その年のプロテストに合格。自身のゴルフ人生を次のステージに引き上げたきっかけの試合が日本女子オープンだったという。竹田は、ナショナルオープンを制覇し、世界への扉を開いて更に高みに到達することができるか。

日本代表として臨んだパリオリンピック2024。山下美夢有は、最終ラウンドでメダル争いを演じたものの惜しくも4位に終わり悔し涙を流した。それでも、そのプレーぶりはメルセデス・ランキング2年連続1位の実力を世界に示すのに十分なものだった。国内では今シーズン16試合に出場し未勝利ながらもベスト10フィニッシュが12試合と安定感あふれるプレーを続けている。足の違和感があった前週は欠場して休養にあて、「体のリセットも出来ましたし、気持ちの面とかでもしっかり整理できたかなと思います」と、本選手権に向けて調整を進めてきた。山下も他の選手同様に距離の長さと深いラフに警戒し、「ショットの安定性が重視される戦いになると思います」と語るとともに、「ショットが左右にぶれても、そこからパッティングだったりアプローチでしっかりカバーできれば」と集中を切らさずにプレーすることが重要だと自分に言い聞かせる。「メジャー大会ということで、この日本女子オープンで優勝したい。なかなか悔しい結果に終わってしまうことも多くありましたが、“今年こそは”というか、優勝争いできるように頑張りたい」と、ナショナルオープンでの今季初優勝に向けて静かに闘志を燃やしている。

今年のエビアン選手権で悲願のメジャーチャンピオンとなり本大会に戻ってきたのが、古江彩佳。「せっかく海外でメジャーも獲れましたし、日本でもメジャーを獲ることが大事だと思うので、意識しながら頑張りたい」と、捲土重来を期している。アマチュア時代からともに研鑽を積みナショナルチームでも切磋琢磨をしてきた安田祐香が先週のJLPGAツアーで初優勝を飾り、「ずっとライバルという仲なので、自分も頑張らなくてはと思わされました」と刺激も受けている。本大会に向けてコーチでもある父からの指導で左を向きがちになっていたアドレスのアライメントを修正。「完璧かはわかりませんが、前よりはマシかなと思います」と復調の気配も感じている。「しっかりと自分のプレーをして上位争いができれば。優勝を目指しながら目の前のことに集中して。難しいコースなので、1打に集中してプレーしていければ、良いことがついてくると思う」とメジャーチャンピオンらしい落ち着きで日本女子オープン初優勝を狙う。

9月26日6時45分から始まる本大会。72ホールの末に18番グリーンで優勝杯を掲げるのは誰になるか。

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